白衣の人がスマートフォンを操作する手元

看護師のネイルはどこまでOK?ジェルネイルの扱いと職場の規定の確かめ方

執筆:メディカルクルー編集部(運営:株式会社CentralMedience/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316075)

「看護師はネイルをしてもいいの?」「爪を守るジェルネイルならどうだろう」と迷う方は多いと思います。おしゃれを楽しみたいのは自然な気持ちです。

結論から言うと、勤務中のネイルは職場の規定が認める範囲で可能です。ただ、相談の場や解説記事では「病院は禁止が多い」という声が目立ちます(統計は確認できていません)。つけ爪や長さ出しは、患者さんに直接触れるときは着けないのがWHOの推奨です。爪の保護が目的でも、規定に従うのが基本です。「ネイルOK」の求人もありますが、中身は職場ごとに確かめる必要があります。この記事では、決まっていることと職場次第のことを指針をもとに分け、面接で失礼なく聞く例文も紹介します。

看護師のネイルはどこまでOK?指針で確認できること

つけ爪(ネイルチップなど)・長さ出し:患者さんに直接触れるときは着けません(WHOの強い推奨)。

爪の長さ:短く保ちます。指先を超えない長さが目安です。

マニキュア・ジェルネイル:施設の判断です(ジェルまで明記するのは米国3学会)。手術で清潔野に関わる人は着けません。WHOとCDCの推奨文はジェルがつけ爪に入るかを書いていないので、透明でも先に確かめましょう。

最終的に決めるのは勤務先の規定です。

項目指針記述と対象
つけ爪・長さ出しWHO(2009)患者さんに直接触れるときは着けない(強い推奨 IA)
つけ爪・長さ出しCDC(2002)ICUや手術室など、リスクの高い患者さんに直接触れるときは着けない(強い推奨 IA)
爪の長さWHO(2009)先端を0.5cm未満に保つ(提案 II)
爪の長さCDCの現行ページ指先を超えない
マニキュア・ジェル米国3学会(2022年版・急性期病院向け)禁止するかは施設の感染対策部門の判断。手術で清潔野に関わる人は着けない

これらは国際機関や海外の指針で、日本の法律ではありません。厚生労働省の院内感染対策の通知にも、爪やネイルの記述はありませんでした。日本の学会の指針や各病院の内規までは確認できていません。

WHOは、宝飾品や人工爪、マニキュアの方針を各施設で定めるよう求めています。

出典:WHO 手指衛生ガイドライン(2009) p.133、p.153-154/CDC 手指衛生ガイドライン(2002)/CDC 医療者向けページ/SHEA/IDSA/APIC(2022年版)/厚生労働省 医政地発1219第1号

看護師のネイルが制限される理由

WHOの指針にある理由は、主に次の4つです。

  • 爪の下:細菌が多く、丁寧に手を洗っても残ることがあります
  • 人工爪:自然な爪の人より、手洗いの前後で指先にグラム陰性菌を持っていることが多いと報告されています。新生児ICUなどの集団感染との関連も報告があります
  • 長くとがった爪:手袋に穴を開けやすく、手指衛生のしにくさにつながることもあります
  • マニキュア:塗りたてなら爪の周りの細菌は増えませんが、はげたものには細菌が増えやすい可能性があります

WHOは、爪の長さそのものが重要なリスクかどうかははっきりしないとしています。米国3学会の著者らも、マニキュアと院内感染の関連を示す根拠は十分でないとしたうえで、手指衛生の効果を下げる理論上の懸念を挙げています。解説記事では患者さんを傷つけないことや清潔感も挙がりますが、確認した指針にはありません。

出典:WHO(2009)p.133/Glowiczら(2024)

ネイルOKの職場はある?働く場ごとの確かめ方

「ネイルOK」の看護師求人はあります。ある求人サイトの東京都の絞り込みでは598件あり(2026年11月5日時点)、一覧の先頭にはクリニック、訪問看護ステーション、有料老人ホーム、保育園などが並んでいました。ただ、その表示だけでは、色や長さ、ジェルの可否、配属による違いまでは分かりません。

働く場指針で確認できること職場で確かめること
手術室・ICUつけ爪・長さ出しは着けない。手術で清潔野に関わる人はマニキュア・ジェルも着けない担当業務ごとの基準
病棟・外来・クリニック・訪問看護患者さんに直接触れるなら、つけ爪は着けない(WHO)マニキュア・ジェルの可否、色、部署による違い
介護施設・通所サービス手洗いの注意点として「爪は短く切っておく」(厚生労働省の手引き p.24)。WHOのつけ爪の推奨も、働く場所を限定していませんネイルの可否、職種による違い
健診・企業の医務室・治験などWHOの推奨の対象は直接触れる場面。ケアや処置があれば、つけ爪は着けない担当業務ごとの基準

同じ種類の職場でも、規定は施設ごとに定められます。職場の種類だけで「ここならできる」とは言えません。働く場所ごとの役割は「看護師の種類と働く場所」で紹介しています。

出典:厚生労働省「介護現場における感染対策の手引き 第3版」

ジェルネイルで爪を保護してもいい?

爪が割れやすく、仕事のために守りたいという方もいると思います。保護が目的でも、勤務先の規定に従うのが基本です。看護師の相談の場でも、透明のジェルを先輩に注意されたという声と、短い爪に薄い色なら認められているという声の両方があります。確認した指針には「保護が目的なら別扱い」とする記述はありませんでした。

  • WHOとCDCの推奨文には、ジェルが「人工爪」に入るかどうかは書かれていません。国民生活センターの資料は、UVで固めるジェルネイルも「つけ爪」の技法に挙げています
  • WHOは、人工の素材で爪を覆って保護する方法もネイル技術の一つとして挙げ、ケアのしにくさや局所の感染などが起こりうるとする総説を紹介しています
  • 米国3学会は、ジェルやシェラックのマニキュアも施設の判断とします。著者らは、遵守を確かめる側が見分けられないとして、通常のマニキュアと区別していません。1件の研究では、自然な爪と通常のマニキュアのほうが、ジェルやシェラックよりアルコール手指消毒できれいになりやすい結果でした

自己判断で続けるより、勤務先に「保護の目的で使えるか」を聞いてみましょう。爪の割れが続くときは、皮膚科に相談する方法もあります。

出典:WHO(2009)p.133/SHEA/IDSA/APIC(2022年版)/Glowiczら(2024)/国民生活センター(2008)p.1

面接・応募前に、職場の規定を確かめる聞き方

「ネイルをしたいので」よりも、「規定に沿って準備したいので」と伝えると、入職の準備として自然に聞けます。まず求人票やホームページを確かめ、書かれていなければ次の例文を参考にしてください。

場面例文
応募前の問い合わせ応募を検討しております。差し支えなければ、爪や髪色など身だしなみの規定について教えていただけますか。
面接の逆質問入職後に規定に沿って働けるよう準備したいと考えております。爪や髪色など、身だしなみの基準を伺ってもよろしいでしょうか。
配属による違い身だしなみの基準は、病棟と外来など配属先によって異なりますか。
爪の保護の相談爪が割れやすいため、保護の目的で透明のジェルやコートを使えるか、伺ってもよろしいでしょうか。規定で難しければ、それに従います。

逆質問の例や面接の準備は「看護師の面接」で紹介しています。

休日はネイルチップなどで楽しむ/毎日の爪のケア

「バレなければいいのでは」と思うこともあるかもしれませんが、爪は見た目だけでなく手指衛生に関わります。勤務の日は規定に沿い、休日に楽しむ方法を選ぶと安心です。

休日に楽しむとき

  • ネイルチップやネイルシール、はがせるジェルなど、次の勤務までに落とせるものを選び、勤務前に残りがないか確かめます
  • 施術を繰り返すと自爪が薄く、もろくなることがあるので、ときどき休ませましょう
  • 爪や皮膚に異常を感じたら、すぐ受診します

毎日のケア

  • 爪は短く切り、爪の下まで石けんと水で洗います
  • 甘皮は感染を防ぐ役割があるので、切らないようにします
  • 手荒れを防ぐクリームも使いましょう。手荒れがひどいときは皮膚科に相談します

出典:国民生活センター「つけ爪による危害」(2008)/CDC Nail Hygiene/厚生労働省の手引き p.24

職場選びは、メディカルクルーに相談しながら

職場の選び方は「働きやすい職場の選び方」でも紹介しています。

メディカルクルーでは、看護師、医療事務、介護職などの求人を、東京都・神奈川県を中心に掲載しています(2026年11月時点)。規定の確かめ方や職場選びに迷ったら、ご相談ください。ご登録いただくと、次のような流れでサポートします。

  1. ご登録必要事項を入力して送信してください。
  2. ヒアリング勤務地や雇用形態などのご希望、スキルなどをお聞かせください。
  3. 求人探し気になる求人にお問い合わせいただくか、アドバイザーがご要望に沿った求人をご紹介します。
  4. 採用面接ご希望の方は、面接会場まで同行します。
  5. 入職お仕事開始後も、専任スタッフがアフターフォローします。

爪や髪色など気になる点も、ヒアリングでご希望としてお聞かせください。

※エリアにより、面接会場への同行ができない場合があります。

よくある質問

透明やベージュなら大丈夫ですか?

確認した指針に、色で可否を分ける記述はありませんでした。職場が色で定めていることもあるので、規定を確かめましょう。

面接にネイルをしていってもいいですか?

指針は面接について定めていません。応募先の規定が分からないうちは、落として臨むと迷いません。

足のネイルはどうですか?

確認した指針の推奨は、手の爪についてのものです。足の爪に定めがあるかは、職場の規定で確かめましょう。

まとめ

  • 爪は短く保ち、マニキュアやジェルは勤務先の規定を確かめましょう
  • 規定は「準備したいので」と伝えると、面接でも聞きやすくなります

職場選びに迷ったら、メディカルクルーにご相談ください。

この記事をシェアする